粟柄峠は、福井県美浜町新庄地区と滋賀県マキノ町を結ぶ峠道で、福井県側には粟柄の関があった。今でも、昔の峠道が残っている。
大谷山~粟柄越の間は、以前は笹で覆われていたが、その笹もススキに変わり、、現在は絶好の縦走路となっている。粟柄越から先は、赤坂山へ登る登山道である。
ここでは、逆コースとなるが、赤坂山から大谷山への縦走コースを紹介する。
赤坂山から下っていくと、途中岩をくりぬいて作られた石仏があり、美浜町方面への分岐の先に、粟柄越がある。
ここには標識があり、大谷山方面表示された方向に、ススキ原の中に付けられた道をゆっくりと登っていく。この先、道ははっきりとしており、ススキの中に、所々柘植の低い木が混じっている。以前あった笹はすっかりなくなっている。
粟柄越から10分強で、小ピークに着く。ここから下っていくと、一旦潅木帯に入るが、すぐにススキ原となる。この先も所々林に入るが、ほとんどがススキ原である。ススキの背も低く、道の部分は良く刈り払われているので快適に歩くことができる。左手に琵琶湖そしてその先には伊吹山があり、また右手には若狭の山々と日本海が広がる。展望抜群のなだらかなススキ原の尾根道が大谷山まで続いている。
やがて、次のピーク(P841)の肩に着き、そこを過ぎると潅木の中を急に下りだす。鞍部からは再びススキ原となり、次の小さなピークを越えると、潅木帯に入る。ここを過ぎるとすぐに道はT字路に突き当たる。ここはP859からの尾根との合流点で、左へ進む。逆方向から来た場合、直進し易いので注意が必要であるが、しっかりとした標識が設置されている。この先、地形が少し複雑なので、道を外さないように慎重に進むと、寒風に着く。ここには、マキノ高原から登山道が上がってきており、琵琶湖方面の展望がすこぶる良い。
寒風からは、ススキ原の中を道は下って行き、やがて大谷山手前の最後の鞍部に着く。ススキ原の中に切り開かれた気持ちの良い尾根道をゆっくりと登っていく。ふり返ればススキ原の中に歩いてきた道がくっきりと残っている。また、右手には大御影山方面の長い山稜が広がっている。最後の登りを登りきると、813.7mの大谷山山頂に着く。赤坂山から普通に歩いて2時間、ゆっくり歩いても2時間30分見ておけば十分であろう。頂上は、ちょっとした広場になっており、360度さえぎるもののない展望が楽しめる。
赤坂山→10分→粟柄越→30分→P841の肩→30分→寒風→45分→大谷山
(赤坂山~大谷山間は、逆コースでも同じ時間で歩ける。)