三十三間山は、福井県若狭町の倉見から登山道があり、頂上付近は、低い笹とススキの気持ちの良い山である。
山頂から熊川に向かって続くなだらかな稜線は、かってはスキーでの縦走コースに使われていた。現在、このコースは、夏でも歩くことができる。
三十三間山から、途中の轆轤山を少し過ぎた辺りまでススキの原と草地の見晴らしの良い尾根である。また、その先もはっきりした道はないものの、尾根は疎林で、藪漕ぎすることなく歩くことができる。なお、途中から、天増川へ下りる道が分岐している。
国道303号線から県境稜線への取り付きは、崖になっており、その先も天増川の渡渉が必要となることから、ここでは天増川集落内の八幡神社から取り付くコースを紹介する
八幡神社裏手から山に入ると、赤いテープが付けられている道がある。このテープ(このテープは、この先轆轤山の先まで付いている。また、途中から虎テープも現れる。)を参考に急な斜面を登っていくと、県境稜線に出る。最初は杉林の中であるが、途中から綺麗な自然林となる。この道は踏み跡程度の道であるが、林が疎林なので、道を外しても尾根沿いに歩けば県境稜線にたどりつく。踏み跡は、左右の尾根を行ったり来たりしながら、ジグザグに登っている。
稜線に出たところは、畑のような地形で、昔、食糧難の際に大根が作られていたそうである。この先、少し急な尾根を登り、ふたつ目のピークが大根山である。この辺りは、夏は一面、草が生えている。
大根山からは、急な下りとなる。左手に杉の植林があり、滋賀県側は雑木林である。高度差100mほど下ると、鞍部となり、そこからはゆっくりと登っていく。鞍部から20分ほどで、平らなピークに着くが、ここがP384である。この辺りは、桧の植林がされている。
P384を過ぎると、植林が切れ、綺麗な林が広がる。この先も、左手に植林が現れたり、切れたりする。一旦、ゆっくりと下り、なだらかな登りを経て、P401に着く。
P401を過ぎると、登りがややきつくなり、15分ほどで、天増川に下る道の分岐に来る。逆コースを下ってきた場合、直進してこの道を下ってしまい易いので、注意が必要である。
この分岐からは、なだらかな登りとなり、ピークを越えると、台地状の所に来る。松があり、ここから尾根は右に折れる。少し鬱陶しい道を登っていくと、植林が切れ、潅木の尾根道となる。やがて松林が現れ、それを過ぎると草原のピークに飛び出す。この辺りはいつも強い風が吹いるせいで、高い木はなく、小さな柘植の木が変わった形で点在している。草地の中の道を、635mピークを左にトラバースしながら進むと、しばらくで轆轤山山頂に着く。
この山頂からの展望はすばらしく、360度の展望が楽しめる。東には、三重嶽~武奈ヶ嶽に続く稜線が横たわっており、西側には三方五湖、そして若狭湾が広がる。久須夜ヶ岳、青葉山をはじめ、京都、滋賀との県境の山々が展望できる。また、北側には三十三間山に向かう草地とススキの尾根が続いている。
轆轤山から先は、稜線に沿って草地の中の道を歩いていく。道がやや分かりにくい所もあるが、踏み跡を拾って進む。いくつかのピークを越え、三十三間山を目指すが、途中からススキの原となる。鞍部からは、風神上部の分岐に向かって、ススキを足で分けながら道を探し進む。やがて、熊笹が現れると、すぐに風神上部の分岐に着く。その先も、熊笹やススキの広がる広場を通り、登りが急になると、山頂に着く。
天増川・八幡神社→50分→大根山→40分→P384→30分→P401→15分→天増川への下山路分岐→60分→轆轤山→40分→風神上部の分岐→20分→三十三間山