池ノ河内越は、福井県小浜市池の河内と滋賀県を結んでいた峠であるが、今は道は消失してしまっている。途中には、三番滝がある。
一方、駒ヶ岳は福井県若狭町熊川から登るが、途中に以前整備されたキャンプ場の跡があり、そこまで車で入ることができる。
県境稜線のこの区間は、一般的な登山道はないが、はっきりとした踏み跡があり、地図で方向さえしっかり確認すれば、気持ちよく歩くことができる。稜線上には美しい林が広がり、また、アップダウンも少なく、縦走にはピッタリのコースである。
逆コースとなるが、駒ヶ岳から木地山峠に向かうコースを紹介する。
駒ヶ岳のピークは、県境稜線より若狭側にある。従って、県境稜線を木地山峠方面に向かうには、一旦森林公園の方に 戻ることになる。20mほど戻ると、標識があり、南方向に下っていく。最初は幅広のなだらかな斜面であるが、すぐに西に向かうはっきりとした県境稜線となる。この辺りは、なだらかで、ブナの巨木も混じる、気持ちの良い尾根が続く。15分ほどで、尾根は左に折れるが、ここの右手は広場のようになっている。この先すぐの所で、左手に木地山・中小屋への道が分岐 している。この辺りから、左手の滋賀県側に植林が現れる。さらに行くと、左手に稜線に沿うように細い林道が現れる。この林道はこの先も尾根の左手を、尾根に並行するように進んでいくが、月日と共に草に覆われ、あまり目立たなくなってきた。県境稜線の左側には植林があり、あまり気持ちが良くない。できるだけ、若狭側の自然林を見ながら進む。植林に沿って しばらく行くと、右手に660mピークに続く尾根が分岐する。この尾根は、池の河内集落の落合橋に続く尾根で、一般コースではないが、山慣れた人にはお勧めの尾根である。
ここからしばらくで、P696手前の鞍部に着き、左手の植林に沿ってしばらく登れば、P696に着く。P696は、特に目立 った特徴ははないが、北側にコブのようなでっぱりがあり、そこから二重稜線が県境稜線と平行に延びている。ここにも、標識を設置している。
P696からもしばらくは、杉の植林が滋賀県側に続くが、それも15分強(最初のピーク辺り)で終わり、再び広葉樹の綺麗で、明るい林となる。この先、小ピークを2回越えるが、それぞれ左手に尾根が分岐している。それぞれに踏み跡があるようであるが、県境稜線がはっきりしており、迷い込むことはない。なお、2つ目のピークは与助谷山で、高島トレールの標識が設置されており、ここから駒ヶ岳が2.4Km、木地山峠が2.8Kmとなっている。ここからも、左手に木地山・中小屋への道が分岐 している。この辺りは、広々とした尾根に、綺麗なブナ林が広がっている。
与助谷山から下っていくと広い鞍部となる。ここは小浜市の池ノ河内から三番の滝を経由して登ってくる西谷の源頭部 にあたり、昔は池ノ河内越えの峠道が通っていた所であるが、現在は、その痕跡は見当たらない。そこから、なだらかな尾根を登っていくとP765に着く。ピーク付近はなだらかで、休憩したり、昼食を摂ったりするのに良い場所である。こにも、標識を設置している。
P765付近も、二重稜線となっており、右手に平行して稜線が走っている。しばらく行くと、ブナの巨木が混じる、すばらしい林が続いている。途中、一部シダに覆われて入る所もあるが、概ね綺麗な林が続いている。やがて道は急となり、5分強急登にあえぐと、桜谷山(P825)に着く。このピークはなだらかで、いろいろな方向に尾根が伸びているので、駒ヶ岳、木地山峠いずれの方向に進むにしても注意が必要である。駒ヶ岳方面に進む場合は、東方向に標識やテープを頼りに慎重に進んでほしい。
桜谷山からは一旦西方向に少し進んだ後、左手に急降下する必要があるが、山頂からそのまま南に下る尾根に入らないように注意が必要である。また、一旦西方向に進んだ後、左手に降りる地点も要注意である。西北西方向に伸びる尾根(三角点・小栗に続く尾根)がはっきりしており、道のように見えるので、そのまま進んでしまいそうである。この折れ曲がる地点には、標識もあり、テープも付けられているので、慎重に道を見つけてほしい。折れ曲がると、急な斜面が待っている。最初はとても尾根とは思えない斜面であるが、しばらく下ると尾根の形が見えてきて、なんとなく安心する。ここも左手に杉の植林があり、鬱陶しいが、我慢して歩いていると、尾根の傾斜が緩やかになってきて、お地蔵様が待っている木地山峠に着く。
(2004.11調査、2012.8再調査、2021.4最終踏査)
駒ヶ岳→(40分)→P696→(15分)→与助谷山→(15分)→P765→(30分)→桜谷山→(20分)→木地山峠
(注)逆コースも、トータル的には同じ時間(2時間)で、歩ける。