県境稜線 I 横尾峠~棚野坂

  棚野坂は、福井県おおい町名田庄・口坂本から、京都府美山町に抜ける峠道である。口坂本からは、登山道が整備されている。また、京都府側にもしっかりとした道が残っている。なお、京都府側に下った所は、堀越トンネルの京都府側出口である。

 横尾峠は、福井県おおい町名田庄中野集落から、県境尾根のP718の右150m程の所に登り、しばらく県境尾根を西進し、お地蔵さんの祀られている所から、京都側に下っていたようである。なお、福井県側の道はどうなっているかわからない。

 この区間は、道はないが、獣道程度の踏み跡はある。ただし、迷い込みやすい尾根が多くあるので、地図、磁石で進むべき方向を常に確認しながら、行動する必要がある。また、尾根はフラットで、堀越峠手前の急な下りを除き、登り下りは少ない。最近、新しい標識が要所要所に付けられており、心強い。ただ、熊のいたずらで、壊れかけている標識もある。また、最近このエリアは名田庄トレイルとして、整備が進められており、2023.8開催のトレイルランイベントに向け、さらに整備が進むと思われる。

 前半の横尾峠から古坂山(三角点「西谷」)の手前までは、シダが茂ったり、潅木が道を塞いだり、さらには、植林が鬱陶しかったりと、あまり楽しい道ではないが、問題なく歩くことが出来る。。

 一方、後半の古坂山から堀越峠の区間は、概ね自然林が多く、植林地もよく手入れされており、楽しく歩くことが出来る。ブナなどの美しい林が続く所もあり、お勧めである。 


コース紹介

 横尾峠のお地蔵様からは、県境稜線上に道があり、5分程で、和佐谷の送電線巡視路から続く尾根に出会う。(P718)この先、福井県側が伐採されている。福井県側の開けた県境尾根を、シダを避けながら進むと、5分程で福井県側からの横尾峠への道(現在の道の状況は不明)がついていたと思われる尾根に出会う。

 ここからは、植林の混じる尾根となり、すぐに右折し、下っていく。桧の植林の中で、鬱陶しいが、踏み跡を拾って歩いていく。すぐに、道が左に折れる地点に出るが、ここは直進してしまわないように注意が必要である。やがて、道が登り出すと、P674に着く。ここからは、左手に尾根が延びている。

 この先、さらに進むと、気持ちの良い尾根となる。やがて、南の京都側の展望が開け、少しの時間でP674と古坂山(三角点「西谷」、675.2m)の中間辺りのピークに着く。県境稜線は、大きく右に折れるが、直進しやすいので、要注意である。

 ここからさらに進むと、美しい林の中の緩やかな登りとなる。この辺り、カエデの木も多く、紅葉時期は良さそうである。やがて、古坂山に着くが、山頂は穂ツツジに囲まれていた。この山頂からも大きく右折するが、直進方向に誘い込まれないように注意が必要である。

 古坂山からしばらくは、アセビが繁茂し、少し歩き難い。すぐに左手の急斜面を下るが、この先は美しい尾根道が続く。植林もあるが、手入れが良く、気持ちよい尾根道である。P639を越えると、すぐに熊壁坂の説明の書かれた標識に出会う。

 ここからさらに進むと、次のピークで左へ、その次のピークで右へと進む。次のピークには、山と書かれた標石がある。ここからは、左へ急降下していく。これでもかという位の急斜面を10分強下ると、旧国道の堀越峠に着く。旧国道に降り立った地点から、左(福井県側)へ20m程行くと、NTTの無線中継所に登る作業道があり、その道を辿る。無線中継所少し手前から県境稜線に入り、15分程で、棚野坂峠に着く。 (2023.06.21 最終踏査、一部修正)

コースタイム

 横尾峠(お地蔵さん)→(10分)→巡視路尾根分岐→(25分)→P674→(35分)→古坂山(三角点「西谷」)→(20分)→P639→(30分)→堀越峠→(20分)→NTT無線中継所→(15分)→棚野坂峠
(注)逆コースも、ほぼ同じ時間で歩ける。

地  図