三国岳へは、高浜町の関屋、京都府舞鶴市の多門院、綾部市の老富町から登山道がある。
吉坂峠は、高浜町から舞鶴市へ抜ける峠道で、国道27号線の青葉トンネルが開通するまで使われていた道である。現在はほとんど歩く人もなく、廃道と化している。
吉坂峠から三国岳への稜線は、部分的に、送電線巡視路や、林業用の作業道として使われているようで、ほとんどの区間、明瞭なトレースがある。ただ、多門峠~P386~黒部峠の区間は、尾根道ではなく、尾根を跨ぐルートとなっており、コースはわかりにくい。また、途中、迷込みそうな尾根もあるので、地図、磁石を使って歩ける自信ある人のみのコースである。
国道27号線の福井県と京都府の県境近くの福井県側には六路谷の交通検問所があり、ここには空地があるので、駐車させてもらう。なお、下山は、高浜町の関屋川上流になるので、車をデポしておくなり、帰りの足の準備が必要である。駐車をしたら、国道を舞鶴方面に進むが、歩道がないので、車に十分注意して歩く。300m程行くと、右手に杉森神社があるので、右に入る。社殿手前で、左手に国道に沿って進む道があるので、そちらに入る。なお、神社の左手を通っている林道らしき道があるが、それとは違うので要注意。道幅はあるものの、草が茂って、昔の峠道は廃道と化している。廃業したホテルの裏手を通ってさらに進むと、道は谷を越え、左手に大きくカーブしていく。検問所から約30分で、吉坂峠に着く。ここには、道の脇に石垣も積まれ、過去には立派な道が通っていたことが想像される。
県境稜線は、ここから左手の斜面に向かっているが、急なので、少し京都側に進んだ杉林から取り付いた方がよい。杉林の中の急斜面をジグザクに登ると、10分程で尾根にでる。ここから右手に進むと、すぐに送電線鉄塔にでる。青葉山の眺めの良い所である。なお、ここの左手に林道が上がってきており、この林道は、この先の三角点308.1の先600m程の地点まで、稜線の左を近づいたり、離れたりしながら続いている。
ここからは、送電巡視路を歩くことになる。しばらくで、右に送電線巡視路を分けるが、稜線上にも巡視路が続く。一旦下り、再び登り出すと、道は左に曲がっていく。竹の混じる尾根に、良い道が続く。巡視路にはプラスチックの階段が出てきて、周りの木にはツバキが多い。急登になると、左に巡視路を分け、ここで稜線上の巡視路は終わる。ここからも竹林の中の歩きやすい尾根を登っていくと、P308.1mに着く。吉坂峠からここまで、ここまで約1時間である。
ここからも良い道を下って行き、鞍部では、三国岳方面の展望が開ける。このあたりから左手の林道が尾根に近づき、林道を歩いたり尾根に戻ったりする。杉、桧の植林では、道は少し悪くなり、自然林で道が再び良くなったりする。鞍部にはきれいな林の広がる場所がある。途中、「加佐郡植林地」の石碑があり、すぐに、320m付近の尾根が左に曲がる地点に着く。直進の方がはっきりしているので、直進しないように注意が必要である。
ここを左折し、左:植林、右:自然林の中を下っていく。今回のコースは、概ね福井県側が植林、京都府側が、自然林のパターンが多い。次のピークで、道は右に曲がっていく。この先、植林があり、道が荒れてくる。いよいよ、多門峠への急降下が始まる。しばらくで、左手に林道が寄って来て、もう少し下ると、多門峠に着く。ここで林道と合流する。P308.1mからここまで約1時間である。
ここからP386mを越え、黒部峠までは、尾根道ではなく、尾根を乗り越えるコースである。多門峠からは、磁石で方向を定め、登り始めるが、すごい急登である。掴む手がかりの木がないところもあり、特に気をつけて登って欲しい。ここを下りに使うのは、危険なので止めた方が良い。あえぎながら、約30分登っていくと、P386mに着く。P386mの山頂は、広くはないが、気持ちの良いところである。ここから黒部峠に下っていくが、今度も磁石でしっかりと方向を定めて、下り始める必要がある。今度は急降下であるが、こちら側はかすかに尾根の地形が残っており、尾根を外すことがないように約15分下ると、黒部峠に着く。この峠には、福井県側、京都府側両方に明瞭な峠道が残っている。それぞれ、その先何処まで道が残っているかは不明であるが。
この峠からは、急な登りとなり、次の小ピークで右から尾根が合流するが、逆コースからの場合、直進しないように注意が必要である。この先は、P409mに向かってきれいな林の中の尾根道が続く。やがて、左手に巡視路を分けるが、左の道は、巡視路を使って、黒部谷に下る道である。ここまで、黒部峠から約20分である。
ここからは巡視路となり、プラスチックの階段の急登となり、しばらくで、きれいな尾根道となる。すぐに送電線鉄塔に着くが、ここからは高浜方面、舞鶴方面の展望が良い。再び、階段の急登となり、その後、道が少しなだらかになると、右手に自然林のきれいな林が広がる。平らな所を通過すると、最後の急登となり、15分程で、高速道を脇の登山口からの登山道との合流点につく。ここを右に曲がれば、5分で三国岳山頂である。黒部谷への下山点から、山頂まで、約1時間である。
なお、山頂から、高速道路脇の登山口まで、約1時間で下ることが出来る。(2018.12.02最終踏査)
六路谷検問所→(30分)→吉坂峠→(1時間)→P308.1m→(1時間)→多門峠→(30分)→P386m→(15分)→黒部峠→(20分)→黒部谷への下山点→(1時間)→三国岳