国道27号線を敦賀方面に向かい、美浜駅前を過ぎた所で、正面右手に見える山が御嶽山(おたけやま)である。この山に登る途中にある「城山」は、その名前の通り、戦国時代、山城のあった所である。国吉城と呼ばれたこの城は、越前から若狭に入る唯一の道、椿峠を守る位置にあり、織田信長が天下統一を計ろうとしていた頃、これに敵対していた朝倉義景もこの城を攻めている。しかし、御嶽山と北西にある天王山そして北側にあった機織池に囲まれた強固な城は、6年間にわたり持ちこたえたとされている。現在、この国吉城跡は、保存のための調査、整備が行われており、下には立派な展示館が出来ている。
また、御嶽山は、以前は珪石が採れた所で、採石のための林道が山頂近くまで上がっているが、今は車では入れない。
御嶽山に登るルートは美浜町の佐柿集落から城山を通るルートが一般的であるので、そのコースを紹介する。他に、宮代集落からの道もあるようである。
①佐柿からの御嶽山へ ■対象:家族向けハイキングコース
国道27号線を敦賀方面に向かい、美浜町の河原市の交差点を過ぎ、しばらく走ると右斜め方向に佐柿集落に入る道がある。この道に入り300m程進むと三叉路となり、そこに国吉城跡の説明を記した看板がある。ここからさらに150m程直進すると、左手に「国吉城歴史資料館」があるので、そこに駐車する。
資料館の敷地内から、城山(国吉城跡)に向かう。道は遊歩道として整備されており、迷うことはない。植林の中の道で、あまり楽しい道ではない。登山口から約20分で、愛宕神社への道を左へ分ける。その後は尾根筋の急登となり、植林帯を抜けると、広葉樹の雑木林となる。登山口から30分で国吉城跡のある城山に着く。
城山山頂には、本丸跡の石碑があり、広場になっている。木々の間からは日本海が望める。
城山からは、一旦下り、檜と赤松の混在する尾根筋を進む。約15分でNHKのアンテナが建っている所に出る。ここから30m程先で道は右の林の中に入る。植林帯を抜け、気持ちの良い雑木林の中に道が付けられている。城山から約40分で、NHKとFBCの大きなアンテナのある広場に着く。休憩するにはちょうど良い場所であり、多人数で昼食をとることもできる。
この広場まで林道が上がって来ており、この林道を200m程進むと、右手に「御嶽山山頂40分」の看板があり、再び右の山道に入る。うっかりしているとそのまま林道を下ってしまうので、注意が必要である。広葉樹の気持ちの良い尾根道をしばらく進む。一旦檜林に入り、再び雑木林に入ると、大きな岩が出てくる。この辺りは、左側が大きく切れている。その先に、「宮代への分岐」の看板があり、そこから3分ほどで、山頂に着く。アンテナの広場から約35分の道のりである。
山頂は、熊笹と雑木に覆われた平らな所で、「御嶽山山頂549m」の看板がある。あまり展望は良くないが、敦賀市街と敦賀湾を囲む山々そして条件が良ければ、遠くに白山が望める。
なお、山頂北側は断崖となっており、展望を楽しむために近寄る際は注意が必要である。
帰りは、来た道を引き返そう。
■コースタイム
登山口→30分(20分)→国吉城跡→40分(30分)→アンテナ広場→35分(25分)→御嶽山山頂
( )内は、逆コースのコースタイム