美浜町新庄から滋賀県へ抜ける粟柄谷林道の県境の向かって右が大御影山、左が大谷山である。国土地理院の地図には、大谷山として山名が記載されているが、登山道が整備されていなかったことから、あまり知られていない山であった。
しかし近年、地元の山岳会により道が整備され、大変登りやすくなった。取り付きからしばらくは急坂であるが、尾根に出ると美しいブナ林が広がっている。また、山頂付近は背の低い笹とススキの原っぱで気持ちが良く、展望も申し分ない。高度差も少なく、短時間で登れることから一度は登って見たい山である。また、近年、赤坂山から大谷山にかけての縦走路も整備され、周回コースとして利用すれば、さらに満足のいく山歩きができる.
①粟柄谷林道から大谷山へ ■対象:初級コース
美浜町の新庄を経由して粟柄谷林道を県境へ向かうが、詳しくは大御影山の項を見てほしい。なお、粟柄谷林道は、通行止めになることが多いので、事前に道路状況を美浜町役場に確認しておいた方が良い。
県境手前右手に屋根付きの休憩所があり、その先右手に広い空き地がある。さらに少し進むと左手に大谷山と記された看板がある。車は、看板の反対側の林道横に止められる。
登山口からは、いきなり雑木林の中の急斜面の登りとなる。道はジグザグにつけられており、はっきりとした道である。急斜面を10分程登ると、斜面はややなだらかとなり、さらに10分程で左から尾根が合流する。ここで道は右に大きく曲がる。
この先は、すっきりとした尾根上の道となる。主にブナの木に覆われた尾根を気持ち良く登って行くが、所々昔使われていたと思われる深く掘られた道が交差している。この道は、マキノ町の石庭から、大谷山付近を経由して、大御影山の近くで、近江坂と合流していたといわれている。次の820m位の小ピークまで、きれいなブナ林が続き、小ピークまでは、登山口から40分ほどの道のりである。
この小ピークから道は左に曲がるが、ここから林の様子は、大きなブナから、潅木に変わる。。以前は、尾根の左手を巻くように道がつけられていたが、今は尾根上を進むように道がつけられている。なだらかな尾根を進み、小ピークを越えると、熊笹にススキが中心となり、行く手に山頂が見える。
山頂には山頂標識と、三角点があり、ちょっとした平地になっている。弁当を広げるには良い所である。展望もすこぶる良い。帰りは元来た道を下るか、赤坂山への縦走、マキノ町方面への下山等いろいろなコースが考えられる。
■コースタイム
登山口→40分(25分)→820m位のピーク→40分(25分)→大谷山